【卸売】適切なロット数を求める計算式を紹介【小売店との直接取引】

【卸売】適切なロット数を求める計算式を紹介【小売店との直接取引】

バイヤーとの商談会にて重要となる

「ロット数」

どのくらいにするのが適切なのか?
どういう考えで設定すればよいのか?

今回は適切なロット数を求めることのできる計算式を紹介します。


自分の商品をこの計算式にあてはめれば適切なロット数が求められます。
※食品の物販に関する内容になります

記事を読んでぜひ活用してみてください。

この記事の簡単な用語解説
ロット ・・・発注の最小単位
卸値 ・・・メーカーが小売店へ売る価格
問屋 ・・・メーカーと小売店の間を受け持つ業者

この記事は知識ゼロからラーメン店が物販を初めて初年度490万を売り上げるまでのストーリー第12話です

最初から読む ※最初から読むことで「食品の物販」に関する超基本的な知識を身につけることができます

食品の物販の商談会への準備の仕方と、当日の動き方をまとめました。
↓の記事を読んで小売、問屋それぞれとの商談の仕方を参考にしてください

【卸売】適切なロット数を求める計算式を紹介【小売店との直接取引】

今回は③小売店へ直接販売のケースです

【関連記事】問屋との取引のロットの相場はこちらの記事から

次の5つの要素をもとにロット数を求める計算式を紹介します。

5つの要素とは

①商品の材料費
②商品の卸値
③梱包材料費(ダンボールや緩衝材など)
④梱包にかかる人件費(時給換算し、梱包に要する時間で求めます)
⑤送料

この要素をまずはしっかりと算出しロット数を設定します。
今回紹介する計算をやらないと利益確保できるロット数は設定できません。

この記事の信頼性

私は2020年12月と2021年6月の計2回商談会に出店しました。
1回目の商談会では商談成立は1社のみでしたが
2回目の商談会では「ロット数」をしっかりと設定したことで
合計6社と商談成立し一気に販路を広げることが出来ました

今回は、「このロット数をどのように設定したのか」
についてこの記事で紹介していきます。

この記事を読むことで

・商談成立の目安となる数値
・自社に利益がしっかりと確保できる数値

この2つを兼ね備えたロット数を機械的に計算で求めることが出来ます。

【関連記事】商談成立の鍵を握る「卸値の掛け率の相場」とは?

ロット数は多いのと少ないのどちらが良いのか?

そもそも多いのと少ないのどちらが良いのか?
これは

ロット数が多い → 販売元にメリットがある(在庫が回転しやすい)
ロット数が少ない → 小売店にメリットがある(在庫を抱えるリスクが少ない)

となります。
ロット数は少なければ少ないほど、小売店側としは扱いやすく
発注もしやすくなります。

特に初めて取引を行うバイヤーはロット数が多いと取り扱ってくれません。
その商品がどれだけ売れるか分からないため在庫を抱えるリスクがあるためです。

多すぎず、少なすぎずのロット数が良いのですが
では、ロット数はどれくらいが適切なのか?

これには「送料コスト」が重要になってきます
次に説明していきます

ロット数を決める上で最も重要な要素【送料コスト】

バイヤーとの取引において重要な要素として

送料をどちらが負担するか?

という問題があります。

この問題は得てして
「販売元が負担」することが多いです。

販売元は「送料」を負担することを前提として
ロット数を決める必要があります。

また、送料に加えて

・梱包の資材
・梱包の緩衝材
・梱包するための人件費

も加味しなければいけません。

以下にモデルケースを示します

サンプル例
・卸値 400円
・材料費 300円
・粗利 100円
・梱包コスト 100円/個(ダンボール、人件費、緩衝材)
・送料 600円/個

ケース①:ロット数12個

このようにロット12個だと1ロットの粗利が小さいため
送料分を差し引くとかなり利益は少なくなります。

問屋へ卸す場合はこの送料を限りなく無くすことができます
例:問屋の集荷場が近いため配送コストがほぼ0の場合など

ケース②:ロット数84個

このようにロット数84と大き目の場合は
1ロット当たりの利益は大きくなります。

販売する商品にもよりますが、単価が安い商品の場合は
必然的にロット数も大きくしないといけません

重量は25kg以内におさめましょう。
25kg以上の場合、重量追加料金が配送料としてかかります

適切なロット数を求める計算式

これまでの流れで、ロット数が大きければ利益がとれるかつ
バイヤー側は小さい方を好む、ということが分かりました。

利益が確保できるロット数の閾値が分かる計算式はないの?

あります。次に示す計算式にあてはめて
自社の商品のロット数が利益を確保できているかをしっかり見極めましょう。

まずは次の内容を整理します

①商品の材料費
②商品の卸値
③梱包材料費(ダンボールや緩衝材など)
④梱包にかかる人件費(時給換算し、梱包に要する時間で求めます)
⑤送料

最初の式(1本当たりの粗利を求める)

②から①を引きます。これで商品1つ当たりの粗利が出ます。

これをAとします。

次の式(1ロット当たりのコスト)

③と④と⑤を足します。
これで1ロットあたりにかかるコストが出ます。

これをBとします。

最後の式(1ロット当たりの利益)

A × ロット数 – B

これで1ロット当たりの利益が出ます
あとはこの利益をどこまで確保するかは事業者次第となります。

私の場合は上代の10%となるように設定しています。

実際の計算結果

サンプル例
・卸値 400円
・材料費 300円
・粗利 100円
・梱包コスト 100円/個(ダンボール、人件費、緩衝材)
・送料 600円/個

ロット数12個の場合

・最初の式 400 – 300 = 100(A:1本当たりの粗利)
・次の式 100 + 600 = 700(B:1ロット当たりのコスト)
・最後の式 100 × 12 – 700 = 500
よって1ロット当たりの利益は500円となります。

→ 1本当たりの利益は41.7円です

ロット数84個の場合

・最初の式 400 – 300 = 100(A:1本当たりの粗利)
・次の式 100 + 600 = 700(B:1ロット当たりのコスト)
・最後の式 100 × 84 – 700 = 7700
よって1ロット当たりの利益は7700円となります。

1本当たりの利益は91.7円です

まとめ

今回は小売店との直接取引の場合のロット数についてまとめました。
この計算式に当てはめて自社の利益がしっかりと確保できるような商談を結べば
その後継続して利益を発生してくれる販路となります。

卸値、及びロット数のバイヤーとの取り決めは非常に重要です。
一度決めればなかなか変更しづらい部分でもあります。

しっかりと商談に望む前に検討して、バイヤーとwinwinとなる数値を
決めておきましょう。

次の理由により、問屋との取引の場合はまた少し変わってきます
・問屋が入るので卸値が厳しめになる
・問屋で配送を補ってくれることがある(この場合送料を考える必要がない)
・問屋で商品を保管してくれることがある

問屋との調整さえうまくいけばあとは物流にのせて
一気に販路を広げることができる可能性を秘めてます。

ただし問屋が間に入る分利益は少なめです。

【関連記事】商談会への参加の仕方のノウハウはこちらから

【関連記事】自社HPでの販売は最も利益率の高い販路。必ずこの販路は押さえておきましょう

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なかマネ

30代になり「将来(老後)」を考えるようになり資産形成を開始。仕事の残業でなかなか株価をチェックすることが難しいですが、そんな私でも出来る投資方法として「オルカン」にはまりました。このブログでは、「オルカン」について徹底的に分析をし同じく30代から投資を始める、私のように「株価を毎日チェックせずとも投資したい!」というサラリーマンの方に向けて私の学んだ内容を初心者向けに私なりに解説していきます。同じ初心者だからこそ分かりやすい記事に出来ると思います!たまに仮想通貨やETFについても勉強した内容をアウトプット。飲食店経営経験もあるのでそちらのノウハウもアウトプット!