飲食店経営者や店長の方で
お客様にとってお得なランチセットで集客しよう!
と考えている方は多いと思います。
ランチセットでたくさんのお客さんが来てくれることはいいことですが
「価格設定」を間違えてしまうと
せっかく忙しくても全く利益が出せない
という状態になってしまいます。
「お得な」という言葉は、ただ単に「安売り」をすればいいことではありません。
この記事では
「失敗しないランチセットの価格の決め方」について執筆します。
この記事の簡単な用語解説
原価率 ・・・ 商品価格の内の材料費の割合(定価1000円材料費300円なら原価率30%)
※原価率は何%が良いのか というのは各お店によって異なります。
この記事では便宜上「30%」として書いていきます
【関連記事】お店の適切な原価率を学ぶ(20%?30%?40%)
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飲食店のランチセットの原価率は?価格設定で重要な2つのこと
結論から書きます
ランチセットを出す際の原価率の考え方は次の2つです。
①「お得なランチセット」でありながらも原価率30%は維持する
②原価率の高いセットにするなら「経費」で利益を調整する
この2つのどちらにも当てはまらないランチセットは
たとえ人気が出たとしてもいずれ経営を圧迫してしまう悪いメニューです。
この2つのどちらかでランチセットを設計出来れば
それはお店の強い武器に確実になります
この記事の信頼性
私はラーメン店を2店舗10年間経営してきました。
どちらのお店にもランチセットはあり
売上全体の25%くらいをランチセットが締める人気メニューです。
私のお店のランチセットはお客様にとってとても魅力的なメニューであり
かつ、お店にとっても出れば出るほど利益が上がります。
このようなランチセットが1つあるだけで経営は一気に楽になります。
この記事を読むことで
ランチセットとしてどのような価格をつければいいのか→失敗しない価格設定の仕方
を学ぶことが出来、それはお店の儲けに直接的につながります。
成功すれば激的に経営状況は改善されるでしょう。
①「お得なランチセット」でありながらも原価率30%は維持する
②原価率の高いセットにするなら「経費」で利益を調整する
この2つのポイントについて1つ1つ見ていきましょう。
「お得なランチセット」でありながらも原価率30%は維持する
お得なランチセットには「良いセット」と「悪いセット」
の2つあります。
具体的に説明していきます。
まずは「悪いセット」から。
やってはいけない悪いランチセット
やってはいけないのは「原価率が悪いランチセット」
具体的には
このように
メイン商品 →材料費210円 売り値700円 原価率30%
サブ商品 →材料費200円 売り値400円 原価率50%
この2つの商品を組み合わせて
990円でランチセットとして販売した場合
ランチセット 材料費410円 売り値990円 原価率41%
の商品が出来上がります。
ランチセットは昼時間帯に最も出る商品であり
お店の商品群の中でもトップで出る商品になる可能性が高いです。
そのような商品が原価率41%であった場合は
お店全体としての原価率もかなり高騰してしまいます。
このお店の適正原価率が30%だった場合は
11%も離れています。
この11%の懐疑は金額に換算すると
月商300万円の店舗の場合は33万円に相当し
年間396万円もの損失に繋がる可能性があるのです。
ランチセットは良く出る商品のためその原価率がそのままお店に反映されます。
そのランチセットが41%のような原価率の悪い商品の場合お店の利益を下げる一番の要因になります。
やるべき良いランチセット
きっちりと原価率が計算されたランチセットはお店の経営状況を良くします。
このように
メイン商品 →材料費210円 売り値700円 原価率30%
サブ商品 →材料費60円 売り値280円 原価率21%
この2つの商品を組み合わせて
900円でランチセットとして販売した場合
ランチセット 材料費270円 売り値900円 原価率30%
の商品が出来上がります。
このランチセットはどれだけ出数が伸びてもきっちりと30%を維持しているため
利益のしっかり取れる商品になってます。
この原価率で「お客様にとっても魅力的である商品」であった場合は
お店にとってもお客様にとっても良い商品ということになります。
お客様に喜んでもらえることもとても重要ですが
数字をしっかり意識して商売として成立させることも重要です。
ランチセットで原価率30%維持するには
まずは自分の店の商品の原価率をきっちりと把握しましょう。
メインメニュー、サイドメニューなどそれぞれで原価率が異なるはずです。
メインメニューはお店の適正原価率と合わせましょう
【関連記事】サイドメニューの価格設定方法を学ぶ
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それらの商品を組み合わせて
きっちりと適正原価率を逸脱しない商品設計をすることが
経営の安泰につながります。
原価率の高いセットにするなら「経費」で利益を調整する
適正原価率に沿ったランチセットを提供出来るならそれが一番です。
ただし
・どうしても原価率が高くなる
・周りのお店に勝つために原価率の高いお得なメニューを出したい!
というお店もあるかと思います。
その場合とるべき対処は
「経費」で調整する
次に解説していきます。
先述の通り
ランチセットはお店の商品の中でも出数はトップの商品であるため
原価率の悪い商品にした場合お店の利益を圧迫してしまいます。
通常のメニューの場合は
このようにしっかりと利益がとれていたところ
原価率の悪いランチセットがメイン商品となった場合は
このように利益がとれなくなってしまいます。
これを解決するには
このように「人件費」などの経費を調整することで
利益を確保します。
もう少し具体的に言うと
原価率の悪いランチセット商品を出す場合に
そのランチセット商品のオペレーションを可能な限り簡素化します。
これによってホールや厨房のスタッフの人数をランチ時間は減らします。
そうすることで人件費が減り、調整をとることが出来ます。
次のような観点で計算します。
ランチセット 材料費410円 売り値990円 原価率41%
この商品は本来1350円で出すことで原価率30%を維持できるので
1商品当たり360円の損失を出します。
このランチがランチタイム11:00-15:00の4時間で
60セット出るとします。
その場合360円×60セットで21600円の損失となります。
これを人件費だけで調整しようとした場合は
時給1200円のスタッフ(4時間で4800円)を
5人減らすことで成立することになります
この計算からも分かるように
原価率の悪化分をきっちりと経費で相殺しようとすると
かなりの影響が出ることが分かります
上は極端な例ではありますが
いかに適正な原価率が大事かが分かると思います。
※例えば店舗をまだ出していないのであれば
店舗面積を小さくするなど、人件費以外の経費でも調整は可能です。
ですが、これはあくまでも後からランチセットを開発しようとした場合の話であり
店舗面積から変更できる状況であれば
「お店の適正な原価率の設定」の話になりますので
そこはまた別の話になります。
【関連記事】お店の適正原価率の考え方を学ぶ
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まとめ
ランチセットの価格の考え方は2通りあります。
①「お得なセット」でありながらも30%は維持する
②原価率の高いセットにするなら「経費」で利益を調整する
基本的には①をまずは検討するべきで
これがしっかりと設計出来るのであれば②は不要です。
ランチセットはお店の商品の中でもトップの出数商品です。
しっかりと利益の取れる商品設計をして
お店の経営を維持しましょう。
【関連記事】お店の適正原価率を設計する
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