コロナ禍において今までイートインを中心としていた飲食店
「テイクアウト対応」を急遽対応することになった店舗は多いと思います。
テイクアウトをコロナ禍より前から行っている「弁当屋」の原価率は40%前後が一般的ですが
飲食店としても弁当屋の原価率でのテイクアウト対応をすべきでしょうか?
今まで通りの価格設定(原価率)でテイクアウトを出すと周りの弁当屋に比べて高くなる。
弁当屋のように安くテイクアウトを提供すべきか?
何%が妥当なのか?
この疑問について考えていきたいと思います。
この記事の簡単な用語解説
イートイン ・・・ 店の中の客席で食べていくこと。テイクアウトの対義語
ホールスタッフ ・・・ 飲食店における接客を担当するスタッフ
飲食店のテイクアウト対応【原価率は弁当屋に合わせる!?】
結論から言います。答えは「NO」です。
弁当屋が何故40%の原価率で成立するのか。
それを考えずに飲食店でテイクアウトを40%で出しても
同じ売上を上げても成立はしません。
イートインの飲食店はやはり適切な原価率を維持したまま
テイクアウトへの業態転換を行う必要があります。
適切な原価率の考え方はコチラの記事を参照
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この記事の信頼性
私は10年イートインの飲食店を2店舗営んできました。
今回のコロナ禍を受けて2020年3月からテイクアウトを実施。
約1年間試行錯誤を繰り返しながらテイクアウトを並行して行ってきました。
1年間で見えてきた飲食店のテイクアウト業態転換時の原価率の考え方を
解説していきたいと思います。
この記事を読むことで
・弁当屋の原価率(40%)と同じにするべきか?
・テイクアウトの原価率を何%にすべきか?
について考えることが出来ます。
ではみていきましょう。
弁当屋とイートイン飲食店の原価率の違い
弁当屋の原価率は40%(35%~45%)といわれてます。
一方でイートインの飲食店は20%台(主にカフェなど)~30%前半程度です。
何故このような違いがあるのか?
粗利を見ると
弁当屋 60%
飲食店 70%
飲食店と弁当屋さんの決定的な違いは
「飲食スペースの有無」であり
それは言い換えれば「飲食スペースにかかる経費が必要」ということです。
飲食スペースにかかる経費を具体的にいうと
- 飲食スペースのホールスタッフの人件費
- 各テーブルにおける消耗品
- 飲食スペース維持の光熱費
などです。
粗利の差額10%分で飲食店は、この「飲食スペース」をなるべく快適になるように
お金をかける必要があるのです。
弁当屋さんは「飲食スペース」にお金をかける必要がないため
原価率40%でもしっかりと利益が確保できる構造となっています。
弁当屋のテイクアウト原価率
「材料費+テイクアウト容器代」が300円の商品があった場合に
原価率45%の場合は
売価は670円の価格で出すことが出来ます。
イートイン飲食店のテイクアウト原価率
一方、飲食店としてテイクアウトを始める場合にどうしたらいいか。
従来300円の材料費の商品を原価率30%で970円で販売していた場合
この商品をテイクアウトにする場合は
※更に容器代として100円追加して
材料費が400円になります。
これをテイクアウトとして売り出す場合に
・原価率30%維持したい場合
→売り値は1300円になってしまいます。
おそらく1300円のお弁当となるとお客様はなかなか手を出しにくいでしょう。
近隣の弁当屋さんや、更にはコンビニなどと比べられてしまいます。
・原価率を45%とした場合
→売り値は900円とすることが出来ます。
ただしこの場合15%分粗利が減ることになり
これは月商300万円の店舗の場合は45万円の利益減
年間では540万円の利益減となってしまいます。
これではおそらく成立しないでしょう。
つまりイートインの飲食店が従来の商品をテイクアウトとして販売する場合は
従来の原価率を維持 →テイクアウト弁当としては高額商品
弁当屋の原価率に合わせる →構造上利益を出せない
となってしまうのです。
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イートイン飲食店はテイクアウトで勝ち目はないのか?
あります
イートインをやってきた飲食店なら必ず武器があるはずです。
そこでしか食べれない味、商品。
それを以下にうまく打ち出すか、うまく盛り付けをするか
それによってお客さんが高いお金を払う価値があるかどうかを判断してくれるはずです。
他で食べられない商品であれば自信をもって従来の原価率で出すべきです。
変に安売りしてしまうと「従来の商品」の価値が薄れてしまいます。
「そのお店でしか食べれない味」が決めてになると思います。
大手コンビニや、長年テイクアウトに特化してきた弁当屋さんに
イートインの飲食店がテイクアウトで勝てるポイントはそこにあると思います。
まとめ
イートイン飲食店がテイクアウトを開始するにあたって
原価率を弁当屋さんに合わせる必要はないと思います。
改めて自社の商品を見直し
他には無い魅力はどこかを分析して
そこがしっかりとお客様に伝わる演出ありきで
テイクアウト商品として価格をちゃんと決めて販売すべきでしょう。
しっかりと利益が出る商品価格を設定して
従来の商品価値を下げずに
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