飲食店が成功する物販とは?賞味期限が超重要
- 2021.05.06
- 飲食店が始める物販事業
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この記事は
ラーメン店がEC・物販を始めるまでのストーリーを描いているシリーズ4作目です。
前回の記事はコチラ
いよいよOEM選定先もきまり、商品開発が始まります。
飲食店の物販の商品において重要な要素はたくさんあります。
- 味
- 品質
- 使いやすさ
なかでも私は一番重要な要素は
賞味期限の長さ
であると考えます。
賞味期限は長いとどういったメリットがあるのか?
賞味期限を延ばすことは出来るのか?
賞味期限は誰がどうやって決めるのか?
このような疑問を解決します。
今回の記事では「物販の商品の賞味期限」について考えていきましょう。
この記事の簡単な用語解説
OEM ・・・ 製造メーカーが他社のブランドを製造すること
ロット ・・・ 製品を販売する最小単位
EC ・・・ electronic commerceの略。ネット販売
飲食店が成功する物販とは?賞味期限が超重要
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私は飲食店が物販ビジネスで成功する大きな要因の一つに
「商品の賞味期限の長さ」があると思います。
賞味期限が長いと何が良いのか?
・OEM業者への1ロットの発注量を増やすことが出来る
・小売店へ卸す際に受注しやすくなる
・商品のロスを減らすことが出来る
これらが挙げられます。
また、賞味期限を延ばす措置としては以下のようなことが挙げられます。
- アルコールを含ませる
- 塩分を高くする
- 粘度を高くする(ブリックス)
- 酸度を高くする(ペーハー(ph))
これらを解説していきます。
この記事の信頼性
私はラーメン店を2店舗経営してますが
2020年2月よりEC・物販販売をスタートしました。
商品開発は2019年2月から開始でしたので約1年かかりました。
この間、OEM選定先に1度失敗し半年ほどでやり直しとなってしまいました。
1度目の失敗の反省を活かして2度目の選定で合致し商品開発に至りました。
この失敗の体験談を踏まえた解説となりますので
より皆さんに有益な情報を共有できるかと思います。
この記事を読むことで
- EC販売における賞味期限の重要性
- 賞味期限をどうやって長くすることが出来るか
- 販路拡大において賞味期限の長さをどのように活用していけばよいか
これらについて学ぶことが出来ます。
ではみていきましょう。
賞味期限が長いと何が良いのか?
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先述の通り、下記のメリットがあります。
・OEM業者への1ロットの発注量を増やすことが出来る
・小売店へ卸す際に受注しやすくなる
・商品のロスを減らすことが出来る
1つ1つみていきましょう。
OEM業者への1ロットの発注量を増やすことが出来る
OEM業者を選ぶ際に1ロットの発注量が問題になってきます。
1度に注文する量が決められているため、その分を賞味期限内に売り切る必要があります。
詳しくはコチラの記事を参照
賞味期限が長いと1ロットの発注量が多くても発注することが出来ます。
そのためOEM業者の選択の幅が広がります。
例えば私の場合ラーメンスープを濃縮したタレを販売してますが
賞味期限は「製造から10か月」を実現しました。
OEM業者への発注は1ロット1000本です。
1000本を6か月程度で売り切ることが出来ればロス無しとなります。
私が商品開発に一度失敗したケース
一度目の商品開発で私は失敗しました。
それは、OEM業者に商品を発注したところ賞味期限が
どんなに長くても1か月しか持たない
と言われました。
この場合、商品を3週間程度で売り切る必要があるため(3分の1ルール 詳細は後述)
1000本を3週間は自社の販売ルートでは到底無理だと一度諦めました。
※どのように3週間を10か月までのばしたのか?については後述します
小売店へ卸す際に受注しやすくなる
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小売店からの注文量を増やすことが出来ます。
小売店も在庫を抱えて賞味期限内に売り切る必要があるため
賞味期限が長い商品ほどロスのリスクが少ないため多く注文してくれます。
私が最初に失敗した「1か月」の賞味期限ならほぼ取り扱ってくれるところはなかったでしょう。
※同じ県内なら短くても取り扱ってくれるところはあると思います
県外の小売りへ卸すとなった場合
1.小売店から受注
2.在庫チェック
3.梱包
4.発送
5.小売店に納品
6.更に各小売店へ配送
このような流れとなるため受注から商品陳列まで1週間は要します。
それらを考えると「長い賞味期限」は必須になるでしょう。
問屋も小売りも商談の際にバイヤーは「賞味期限」をとても気にします
プチコラム
今回は説明の便宜上割愛してますが「保存条件」も重要です。
※常温保存か冷蔵保存か
冷蔵保存となると
- 在庫保管コスト
- 配送コスト
などが重くのしかかってきます。
また小売店によっては冷蔵保存の商品だと嫌がられる場合もあります。
商品のロスを減らすことが出来る
食品には「3分の1ルール」という慣習があります。
3分の1ルールとは、食品メーカーとスーパーなどの小売店の間に存在している商習慣です。缶詰やお菓子、飲み物といった食品には「おいしく食べられる目安の期間」として賞味期限が設定されていますが、賞味期限が残り3分の1となる前に、卸業者が小売店に納品しなければならないとい、というものです。
ARUHIマガジン
たとえば、賞味期限が6ヶ月の商品の場合、「賞味期限が残り2ヶ月を切るまでに卸業者は、スーパーなどの小売店に納入しなければならない」ことになります。
つまり賞味期限が短い商品はこの3分の1ルールに沿うと販売期間がかなり限られてきます。
小売に卸さずとも自社で販売する場合にも賞味期限ぎりぎりの商品をお客様に販売するわけにはいきません。
※近年この3分の1ルールを見直すとする動きはありますが
地域の小売店はまだまだ根深くこのルールが存在しています
賞味期限が短いとこのルールにより販売できなくなり
ロスが発生してしまう可能性が高まります。
賞味期限は誰がどう決めるのか?
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OEM業者に発注した場合はOEM先が賞味期限を決定します。
その根拠となる資料などはOEM先で用意してくれます。
私の場合の(ラーメンスープ濃縮タレ)簡単な流れは
- OEM先と商品開発の契約を提携する
- OEM先にレシピを渡してラーメンスープを再現してもらう
- 成分分析をしてもらい賞味期限を提示される
- この段階では「過去の類似品と成分の数値からの理論値」で賞味期限が決定
- 実際に商品が完成したあとに、商品の保存試験が行われて実測値の賞味期限が改めて設定
という流れです。
商談会やカタログ通販などに商品出品を申し込んだ際に
「賞味期限の根拠」を求められることがあります。
その場合はOEM先にいえば資料を用意してくれます。
賞味期限をどうやって長くすることが出来るか
先述のとおり
私は一度「賞味期限は長くても1か月にしかならない」と言われて開発を断念しました。
そのうえで改めて別OEM先に商品開発を依頼したところ
最終的には「10か月」という賞味期限になりました。
どうやってここまで伸ばすことができのか?
食品の賞味期限を構成する要素として以下のものがあります。
- アルコールを含ませる
- 塩分を高くする
- 粘度を高くする(ブリックス)
- 酸度を高くする(ペーハー)
私の場合は「ラーメンスープ」のストレートタイプをまずは用意したところ
「1か月」という賞味期限が決定されたため以下の対応をとりました。
※ストレートタイプとは「温めればそのまま使えるタイプ」です
ラーメンスープの「水分」を一切取り除き
水で薄めて使用するタイプ(濃縮タイプ)に商品仕様を変更した
これにより以下の項目が改善されました。
・塩分が高くなった
・粘度が高くなった
・酸度が高くなった
更に、もう少し賞味期限を延ばすために以下の対応を追加しました。
・食塩を追加 →味に影響が出ない程度に
・水飴を追加 →粘度を高めるため
つまり
・水分の無い濃縮タイプに変更した
・食塩を更に追加し塩分濃度を上げた
・水飴を追加し粘度を上げた
これにより1か月の賞味期限が10か月まで延び
商品化に至ることが出来ました。
保存剤の使用について
OEM先からは保存剤も提案されましたが
・食品により使える保存剤に種類があること
・私の商品に使える保存剤が味に影響のあるものであったこと
などの理由により使用しませんでした。
まとめ
飲食店が物販で物を売るには
「賞味期限が長い」ということが重要な要素でもあります。
賞味期限が長いと
・OEM業者への1ロットの発注量を増やすことが出来る
・小売店へ卸す際に受注しやすくなる
・商品のロスを減らすことが出来る
のメリットがあり販路拡大に非常に役に立つ特徴にもなります。
賞味期限はOEM先との商品開発の中で決定されますが
やり方次第では無添加で賞味期限を延ばすことも可能です。
納得のいくまでとことんOEM先と議論すべきでしょう。
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