飲食店経営における重要な数値「原価率」
今回の記事では
・そもそも原価率の計算ってどうするの?
・原価率って30%になってれば正解なのか?
・原価率は高いと店は潰れるの?
・原価率は低いと店は儲かってるの?
この記事ではこういった疑問に答えます。
原価率の高い飲食店が潰れない方法
結論から言います。
お店のコンセプトと原価率が合ってれば原価率が高くても低くても全く問題はありません。
原価率とは、一言でいうと
商品価格における材料費の割合
飲食店の原価率は30%が妥当なの?うちは40%だけど大丈夫なの?
うちは20%だけど価格安くしたほうがいいの?
原価率が高くても利益がしっかりと確保できれば潰れません。
私自身この10年で何度も考えを改めて導き出した結論を共有します。
記事の信頼性
私は飲食店を10年間2店舗経営してきました。
それぞれの店舗で原価率がどのようになってるか?
原価率がどの状態だと経営状態が良かったのか、悪かったのか
などについて毎日毎日数値を眺めながら考えてきてます。
本記事では、次のことが学べます。
●原価率の計算方法が分かる
●計算結果の妥当性が分かる
●原価率をどのように修正すべきかが分かる
●経営状況を原価率の観点から改善する提案を行うことが出来る
ではみていきましょう。
原価率の計算
飲食店の原価率の求め方
材料費 ÷ 商品価格 ×100
例えば材料費300円、商品価格1000円の場合
原価率は【30%】となります。
残りの【70%】を「粗利」といいます。この辺は基本です。
材料費から価格を決めるには?
100 ÷ 原価率 × 材料費
例えば材料費300円で原価率30%の商品を作りたい場合は
商品価格は【1000円】となります。
メインメニュー、サブメニュー、ドリンク類、ランチセット
など、メニューをジャンルに分けてそれぞれ適切な原価率が何%となるかをまずは考えます。
それさえ決まれば後は商品の材料費に合わせて機械的に価格を決めていくだけです。
原価率は何%だと【高い】となるのか?
飲食店の原価率は30%は正解?
よく「飲食店の原価率は30%」とありますが、この30%が正解なのでしょうか?
それは「お店のコンセプト」によると思います。
材料費 30%
人件費 30%
経費 30%
利益 10%
このような表を見たことある方も多いと思います。
これは多少の語弊を招くのを恐れずに言えば
・料理はおいしい
・またお客様への対応も良く
・店内も清潔な空間
このような飲食店で勝負したい場合のパーセンテージであると考えます。
らーめん店やファミレス、または食堂などがこのカテゴリーに入ることが多いと思います。
原価率20%のお店とは?
よくカフェなどの業態は原価率が20%台前半と言われてます。
通常の「30%」よりも「10%」も低いからボロ儲けじゃないか!
このように思う飲食店の方もいらっしゃいますが、これは大きな間違いです。
※私も10年前は思いました。そして憤ってました笑
20%でも成立するのは材料費の浮いた「10%」分を他の内容でお客様へ還元してるのです。
例えば
・クレンリネス(清潔感、快適さ)が徹底している
・食器や椅子、テーブルへのこだわり
・徹底した接遇(ホールスタッフの人数及び教育の充実)
などのように、お金をお客様に対して使用するところが「材料費」ではないということです。
誰も雑多な雰囲気のお店で1杯1000円(材料費200円)のコーヒーは飲みたくないですよね。
プチコラム
余談ですが、原価率の割合は席の適切な間隔にも関係してきます。
原価率20%のお店 →席の間隔は広くゆったりと座れる
原価率40%のお店 →席の間隔は狭く席数を多く確保する
※40%の内容については後述します
原価率40%の飲食店はダメなのか?
原価率40%、粗利が60%となります。
・原価率30%のお店
→材料費300円の商品が1000円
・原価率40%のお店
→材料費300円の商品が740円!!
原価率40%のお店は「お得感」を武器に客数増加につなげることが出来ます。
ただし粗利は少ないため
・商品の提供時間が早い(回転率が良い)
・席数が多い
・セルフサービス充実による従業員削減
このような工夫をすることで経費を削り利益をとる必要があります。
以上の内容が達成できれば原価率40%でも利益の出る飲食店経営をすることが出来るでしょう。
お客様がたくさん来ることにより成立する商売であるため
「商圏の人口」がとても重要になります。
お得な価格で集客を行い、回転数を上げて売り上げを上げる。
オペレーションを工夫することで人件費などの経費をかけない。
これが出来れば、原価率40%でも商売が成立します。
全ての商品の価格は必ず原価率を守るべきか?
自分のお店の適切な原価率が「30%」だった場合に
商品は全て「30%」になるように価格決めしなければいけないということはありません
※ここからの説明は便宜上「30%」が適切な原価率だったとして説明していきます。
看板商品の原価率
看板商品に関しては「30%」を遵守しましょう。
看板商品とはお店の商品の中で最も出数の多い商品であり
この商品の原価率が「30%」を大きく逸脱していた場合に原価率のコントロールがとても難しくなります。
「原価率」は「お店のコンセプト」に合致するものであるため
「看板商品」が適切な原価率ではない場合はお店のコンセプトから見直す必要があるでしょう
サイドメニューの原価率
追加でもう1品頼みたくなるような商品は「30%」よりも低く設定すると
良いでしょう。例えば
・デザート
・ご飯もの
・トッピング
などです。
ただし商品価格は安く抑える必要があります。
商品価格が高いと「追加でもう1品頼みたく」ならないからです。
商品価格も安く、材料費も安くして原価率を低く抑えましょう。
もう1品の注文が増えることでお店全体の原価率を下げる(コントロールする)ことがしやすくなります。
原価率を踏まえたサイドメニューの価格の決め方については↓↓↓
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原価率50%超の商品は悪か?
ブランド国産牛肉の〇〇〇 が破格の値段で!
このような商品をよくみかけます。
これは原価率50%超(場合によっては80%や90%)の商品を出すことで
「集客効果」を狙っているものと言えます。
お店の原価率を上げてしまうことにはなりますが、集客ツールとして使うにはとても良いでしょう。
ただし、以下の内容に気を付ける必要があります。
①単品で注文されない仕組み
②グループでシェアできる商品(が望ましい)
③SNS映えするビジュアル
①単品で注文されない仕組み
原価率50%超の商品のみ食べて帰られるお客様がいた場合
単純に1人当たりの原価率は悪化してしまいます。
あくまでも集客のツールであるため
他の商品と組み合わせて注文してくれることで、お店全体を適切な原価率を維持しつつ
客数増加も狙えます
②グループでシェアできる商品
原価率80%の商品で集客するとします。
単価1000円(材料費800円)
メイン商品は単価1000円(材料費300円)の30%
1人で来店しメインと集客商品を注文した場合
このお客様の原価率は
単価2000円 材料費1100円 原価率55%となります。
4人グループで集客商品をシェアしメイン商品をそれぞれが注文した場合は
このグループの原価率は
単価5000円 材料費2000円 原価率40%
このように複数で注文すれば他の商品と組み合わせることで
原価率の悪化を中和することが出来ます。
【集客効果もありつつ、客単価もアップ、かつ原価率悪化も中和できる】
という最大限の効果を狙うことが出来ます。
③SNS映えするビジュアル
集客効果を最大限発揮するためにビジュアルも重要です。
原価率30%超えた部分の費用に関しては「広告費」と割り切ることも重要です。
まとめ
自分のお店の適切な原価率は「お店のコンセプト」によって様々です。
低ければ良いという話ではなく、もしかしたら低い場合はお客様が満足出来ていない可能性もあります。
各商品の原価率についてはその商品の特性によって考えるべきで
全ての商品をトータルして自分のお店にあった原価率にコントロールしていくべきでしょう。
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